宅建士合格教科書|2026年度(令和8年度)
第 1 章|全 50 問の設計図

宅建試験の全体像と合格戦略

敵を知り、配点で戦略を立て、試験日までの学習計画を決める

この章で学ぶこと

この章自体から出題されるわけではありませんが、全 50 問の配点と敵の姿を先に知ることが、以降 22 章の学習効率を決めます。合格までの「設計図」としてまず読み切ってください。

宅建士とはどんな資格か

宅地建物取引士(宅建士)は、宅地建物取引業法に基づく国家資格です。不動産は人生で最も高額な買い物であるうえ、権利関係や法規制が複雑で、売主・業者と一般消費者の間には大きな情報格差があります。そこで宅建業法は、宅建業を営む者を免許制にするとともに(第2章)、取引の要所には必ず専門家である宅建士を関与させることで購入者等の利益を守っています。これが制度全体の趣旨です。

宅建士でなければできない事務(独占業務)は、次の 3 つです。いずれも「契約するかどうかの判断材料を与え、契約内容を証明する」という取引の急所に置かれています。

  1. 重要事項の説明(宅建業法35条) — 契約が成立するまでの間に、宅建士証を提示して行います
  2. 重要事項説明書(35条書面)への記名
  3. 契約内容を記した書面(37条書面)への記名
契約成立まで 契約成立後 ① 重要事項の説明(宅建士証を提示) ② 35条書面への記名 ③ 37条書面(契約書面)への記名 交付は契約成立後、遅滞なく 契約成立 取引の時間の流れ
図 1-1 3 つの独占業務を取引の時間軸に置いた図。①②は「契約成立まで」、③だけが「契約成立後」という位置の違いが、第6章(35条 vs 37条)の対比の土台になります。

さらに宅建業者には、事務所ごとに業務に従事する者 5 人に 1 人以上の割合で成年者である専任の宅建士を置く設置義務があります(契約行為等を行う案内所では 1 人以上。詳細は第3章)。独占業務と設置義務があるため、宅建士は不動産業界で恒常的に需要のある資格になっています。なお、試験合格から宅建士になるまでには「登録」と「宅建士証の交付」という段階があり、その流れは第3章で扱います。

試験制度の基本データ — 2026年度(令和8年度)

まず敵の輪郭を確定させます。2026年度試験の実施内容は次のとおりです(出典: 一般財団法人 不動産適正取引推進機構)。

実施回数・試験日年 1 回、10月の第3日曜日。2026年10月18日(日)13:00〜15:00(2 時間)
実施主体都道府県知事。知事が、国土交通大臣の指定する指定試験機関(不動産適正取引推進機構)に試験事務を行わせている
出題形式50 問・四肢択一のマークシート式筆記試験。電卓は使用不可
受験資格制限なし。日本国内に居住していれば年齢・学歴等を問わず受験可
受験手数料8,200 円
受験票発送2026年10月2日(金)予定
合格発表2026年11月25日(水)9:30
法令基準日2026年4月1日時点で施行されている法令が出題の基準
6/5 官報公告 7/1〜7/31 申込期間(終了) 10/2 受験票発送 10/18(日) 試験 13:00〜15:00 11/25 合格発表 9:30 2026 年の流れ
図 1-2 2026年度試験の確定スケジュール。申込受付はすでに終了しているため、これから確認すべきは受験票の到着(10月2日発送予定)と試験当日だけです。

法令基準日はこの教科書全体の前提です。2026年4月1日「当日」に施行された改正法(区分所有法の大改正など)も、基準日時点で施行済みなので出題対象になります。「施行されたばかりだから出ない」という判断は逆で、施行初年度の改正こそ狙われます。

合格ラインと合格率の推移

宅建試験に固定された合格点はありません。毎年、上位 15〜19% 程度が合格になるよう合格点が調整される実質的な相対評価です。直近の実績を見てください。

年度受験者数合格者数合格率合格点(一般)合格点(免除者)
令和7(2025)245,46245,82118.7%33点/50問28点/45問
令和6(2024)241,43644,99218.6%37点/50問32点/45問
令和5(2023)233,27640,02517.2%36点/50問31点/45問
令和4(2022)226,04838,52517.0%36点/50問31点/45問
令和3・10月209,74937,57917.9%34点/50問29点/45問
令和2・10月168,98929,72817.6%38点/50問33点/45問
令和元(2019)220,79737,48117.0%35点/50問30点/45問
平成30(2018)213,99333,36015.6%37点/50問32点/45問

※ 令和2・3年度はコロナ対応で 10月・12月の 2 回に分割実施されたため、表には 10月試験のみを掲載しています(12月試験の合格点は令和2年度 36 点・令和3年度 34 点)。平成28・29年度(いずれも 35 点)も紙面の都合で省略しました。

読み取るべきことは 3 つです。第一に、合格点は直近 10 年で 33〜38 点の間を動いており、最高は 38 点(令和2年度10月)です。つまり 38 点取れれば、どの年でも合格できたことになります。本書の目標設定はここから逆算します。第二に、令和7年度は個数問題が 10 問(問28・30・31・33・34・36・38・40・42・43)と多く出て難化し、合格点が 33 点まで下がりました。難しい年は合格点も下がるので、本番の手応えで諦めないことです。第三に、受験者数は増加傾向が続き、令和7年度は受験 245,462 人・合格 45,821 人と過去 10 年で最多でした。人気の国家資格ですが、合格率は直近 10 年で 13〜19%(下限の 13.1% は受験者が少なかった令和2年度12月試験で、通常回に限れば 15〜19%)にとどまり、「正しく準備した人だけが受かる」水準です。

科目別配点と目標得点戦略 — 38 点の設計図

宅建試験は 4 科目で構成され、配点は毎年ほぼ固定です。満点を狙う試験ではなく、「どの科目で何点取るか」をあらかじめ決めて、その配分どおりに学習量を傾ける試験です。

問26〜45 問1〜14 問15〜22 問23〜25・46〜50 宅建業法 20 問 権利関係 14 問 法令上の制限 8 問 税・その他 8 問 ▼ 科目別の目標点(合計 37〜39 点 ≒ 38 点前後) 18 点 8〜9 点 5〜6 点 6 点
図 1-3 50 問の配点マップ(上段)と科目別の目標点(下段)。面積=配点の大きさです。宅建業法だけで全体の 4 割を占めることが、学習戦略のすべての出発点になります。
科目出題数問番号目標点得点方針
宅建業法20 問問26〜4518 点9 割。全範囲を過去問レベルまで完成させる得点源
権利関係14 問問1〜148〜9 点6 割。頻出テーマに絞り、難問は最初から捨てる
法令上の制限8 問問15〜225〜6 点数字の暗記を対比表で固める。伸びが早い
税・その他8 問問23〜25・問46〜506 点出題される税目は毎年少数。統計は直前に最新値
合計50 問—37〜39 点過去 10 年の最高合格点 38 点をクリアする水準

暗記テク 配点は「20・14・8・8」、目標は「18・8・6・6 で 38」。宅建業法は 2 問しか落とせない一方、権利関係は 5〜6 問落としてよい — この非対称こそが宅建の合格戦略です。迷ったら「業法に時間を返す」と覚えてください。

なぜ業法偏重なのか。宅建業法は条文数が少なく出題パターンが確立しており、学習量がそのまま得点になる科目だからです。逆に権利関係(民法等)は範囲が広大で、司法試験レベルの難問も混ざるため、時間対効果が最も低い。「権利関係を満点にする努力」より「業法を 20 点に近づける努力」の方がはるかに安く付きます。

5 問免除制度(登録講習)

宅建業に従事している人には、試験の一部が免除される制度があります。国土交通大臣の登録を受けた機関の登録講習を修了すると、修了試験合格から 3 年以内に実施される宅建試験で問46〜50 の 5 問が免除され、45 問を 1 時間 50 分(13:10〜15:00)で解くことになります。

宅建業の従業者 従業者証明書が必要 登録講習 通信+スクーリング 修了試験に合格 修了者証明書の交付 5 問免除で受験 問46〜50 を免除 申込 受講 合格 免除の効力は修了試験の合格から 3 年以内に実施される試験まで(過ぎたら再受講) 免除者は 45 問を 1 時間 50 分(13:10 開始)で解き、45 問中の別基準で合否判定
図 1-4 5 問免除の取得フロー。入口の「従業者証明書」がポイントで、宅建業に従事していない一般受験者はこのルートに乗れません。
項目一般受験者登録講習修了者(免除者)
解答する問題問1〜50(50 問)問1〜45(45 問)
試験時間13:00〜15:00(2 時間)13:10〜15:00(1 時間 50 分)
免除される内容—土地・建物・統計等(問46〜50)
合格判定50 問中の合格点45 問中の合格点(例年、一般より 5 点低い)
利用条件—宅建業従事者(従業者証明書の写しが必要)

ここで誤解しやすいのが「5 問免除=5 点の下駄」という理解です。免除者の合格点は例年きっちり 5 点低く設定されます(上の推移表でも、掲載した 8 年分すべて一般より 5 点低い)。免除される問46〜50 は統計や土地・建物の常識問題を含む比較的得点しやすいゾーンなので、点数の上では得も損もしないと考えてください。実利は 2 つです。第一に、毎年数値が変わる統計を直前に暗記し直す負担が消えること。第二に、45 問を 110 分(1 問あたり 2.44 分)で解くため、50 問を 120 分(同 2.40 分)で解く一般受験者よりわずかに時間の余裕ができることです。利用できる立場なら使わない理由はありませんが、使えなくても不利にはなりません。一般受験者は、第23章で 5 問免除科目を効率よく仕上げます。

出題形式のパターンを知る

同じ四肢択一でも、問い方によって難易度と解き方が変わります。宅建には次の 4 パターンがあります。

形式問われ方解き方・対策
単純択一「正しいもの(誤っているもの)はどれか」1 肢に絞ればよく、消去法が使える標準形式
個数問題「正しいものはいくつあるか」4 肢すべての正誤判定が必要で消去法が効かない。曖昧な知識が全部失点になる
組合せ問題「正しいものの組合せはどれか(ア〜エ)」確実に分かる 1〜2 肢から選択肢を絞り込める。個数問題より易しい
判決文問題権利関係で判決文を読ませ、整合する肢を選ぶ判例知識がなくても、判決文の論理を丁寧に読めば解けることが多い

令和7年度は個数問題が 10 問出題され、合格点を 33 点まで押し下げました。個数問題の増加は「なんとなく 2 択までは絞れる」という中途半端な学習を狙い撃ちにします。対策は一つで、過去問を肢単位で「○×+その理由」まで言えるように潰すことです。本書の各章末の一問一答は、この訓練のために○×形式にしています。

合格までの学習戦略

合格に必要な学習時間の通説はおおむね 300〜400 時間です(初学者は 400 時間程度が目安)。1 日 2 時間なら、300 時間で約 5 か月、400 時間なら約 6.5 か月に相当します。ただし、不合格者の平均学習時間も 200〜300 時間と合格者と大差ないという指摘があり、合否を分けるのは時間量より「過去問中心・頻出分野集中」という学習の質です。やみくもにテキストを読み込むのではなく、次の順序で 1 科目ずつ固めます。

① 宅建業法(20 問) 第 2〜8 章 配点最大。学習量がそのまま得点に直結する最優先科目 過去問まで仕上げて次へ ② 法令上の制限(8 問) 第 17〜20 章 暗記中心。覚えた分だけ確実に得点できる 同じく暗記系でまとめて ③ 税・その他(8 問) 第 21〜23 章 範囲が狭く短期で仕上がる。統計は直前に最新値 基礎を固めてから最後に ④ 権利関係(14 問) 第 9〜16 章 理解型で時間がかかる。頻出テーマに絞って 6 割 どの科目も「テキスト→過去問→誤答の復習」の往復で 1 科目ずつ固めるのが定石
図 1-5 学習順序の定石。得点効率の高い順に固め、時間を食う権利関係を「残り時間で最適化する」構えにすると、途中で挫折しても合格点への被害が最小になります。

この学習順は、本書の章の並び順とは一致しません。本書は分野ごとにまとめる都合で第9〜16章に権利関係を置いているため、上の定石で進めるなら第8章(宅建業法の最終章)を終えたら第17章へ飛び、第23章まで進んでから第9章に戻るのが最短経路です。各部は独立しているので冒頭から順に通し読みしても構いませんが、その場合は権利関係で立ち止まりすぎないよう、6 割で切り上げる意識を持ってください。

過去問 10 年分の回し方

宅建は過去問の焼き直しが多い試験です。10 年分を最低 3 周が通説の目安ですが、回数より「回し方」が重要です。

  1. 1 周目(分野別) — 章を学習したら、その直後に該当分野の過去問を解きます。テキストを読み終えてからまとめて解くのではなく、章単位で往復します
  2. 2 周目(誤答のみ) — 間違えた肢と「正解したが理由が曖昧だった肢」だけを解き直し、すべての肢について○×の理由を口頭で説明できる状態にします
  3. 3 周目(年度別・時間計測) — 直前期に、年度別のセットを 2 時間計って通し、時間配分と体力を本番仕様に調整します

直前期(試験まで約 2 か月)の優先順位

試験当日の戦い方

2 時間で 50 問、1 問平均 2.4 分。問1 から順に解くと、冒頭の権利関係(問1〜14)の長文・難問で時間と精神力を溶かします。定石は得点源の宅建業法(問26〜45)から着手する順番替えです。

試験時間 120 分 = 1 問平均 2.4 分 宅建業法 問26〜45 約 40 分 法令・税その他 問15〜25・46〜50 約 30 分 権利関係 問1〜14 約 40 分 見直し 10 分 13:00 13:40 14:10 14:50 15:00 見直しの 10 分は最初から予定に組み込む
図 1-6 当日の時間配分の定石。解く順は「業法 → 法令・税その他 → 権利関係」で、問1 からは解きません。時間切れになるなら、失点は単価の低い権利関係の難問に集中させます。

マークシートの事故防止と見直し術も、得点力の一部です。

2026年度の主要法改正総覧

2026年法改正 2026年度試験は「2026年4月1日時点で施行されている法令」が基準です。今年は区分所有法の大改正(2002年以来の抜本改正)が基準日当日に施行されるほか、宅建業法・登記法・税制にも改正が重なる「改正の当たり年」で、改正初年度の論点は出題可能性が最も高いゾーンです。本章では全体マップだけを示し、正確な中身は各章の改正コールアウトで扱います。

改正項目試験でのポイント扱う章
拘禁刑への一本化「懲役・禁錮」が廃止され「拘禁刑」に。欠格期間 5 年など中身は不変で、用語だけが変わる第2・3章ほか罰則全般
区分所有法の大改正集会決議の出席者多数決化。建替え決議だけは全員母数の 4/5 のまま(客観的事由があれば 3/4 に緩和)第16章
住所等変更登記の義務化変更日から 2 年以内・5 万円以下の過料。相続登記義務化(3 年・10 万円)との数字クロスが本命第11章
公正証書遺言のデジタル化電子データによる作成が原則に。リモート作成も可能だが証人 2 人以上の立会いは維持第16章
35条書面の説明事項追加マンション管理業者が管理者等を兼ねる場合はその旨を説明(2026年4月施行)ほか追加事項あり第6章
標識・従業者名簿の様式変更名簿から性別・生年月日を削除。標識は専任宅建士の「氏名」でなく「数」を記載第5章
報酬・低廉な空家等の特例税抜 800 万円以下は依頼者双方から各 30 万円(税込 33 万円)まで。既出だが継続警戒第8章
建築確認の見直し(新2号建築物)木造 2 階建ては都市計画区域外でも建築確認が必要に。旧 4 号の知識で解くと誤る第18章
不動産取得税・固定資産税の数値変更新築特例の床面積要件が40〜240m²に(固定資産税は上限も 280 → 240)。取得税の免税点は引上げ、固定資産税の免税点は据置き第21章

このほか、所有不動産記録証明制度の運用開始(第11章)、住宅金融支援機構の融資対象追加(第23章)なども 2026年度の出題対象です。各章の 2026年法改正 コールアウトを、直前期のチェックリストとして使ってください。

ひっかけポイント

ここがひっかけ ① 「3 つの有効期限」の混同 試験合格は一生有効(期限なし)、登録講習の 5 問免除は修了試験合格から 3 年、宅建士証は 5 年。「合格後○年以内に登録しないと失効する」という肢は、免除の 3 年や宅建士証の 5 年と混ぜた作りの誤りです。合格・登録も一生有効、期限があるのは「免除」と「宅建士証」だけと整理してください(第3章で完成させます)。

ここがひっかけ ② 「4月1日施行だから出ない」の逆張り 法令基準日は 2026年4月1日「時点で施行されている」法令です。基準日当日に施行された区分所有法大改正などは出題対象で、むしろ最重点です。逆に、成立済みでも 4月2日以降に施行される改正は出題対象外 — 「成立した=出る」でもありません。施行日で判定する癖をつけてください。

ここがひっかけ ③ 「宅建士なら誰でも/専任でなければ」の揺さぶり 重要事項の説明や書面への記名は「宅建士」であれば足り、専任の宅建士である必要はありません。一方、事務所の設置義務(5 人に 1 人以上)で数えるのは「成年者である専任の宅建士」です。「どの場面がただの宅建士で足り、どの場面が専任か」を混ぜるのが出題の定番手口です。

一問一答で総仕上げ

Q1. 宅建試験には受験資格の制限がなく、年齢や学歴を問わず受験することができる。(○か×か)

答え: ○ 宅建試験に年齢・学歴等による受験資格の制限はありません。ただし合格後の「登録」には欠格事由の審査があります(第3章)。試験と登録の要件を分けて押さえましょう。

Q2. 宅建試験の合格には有効期限があり、合格後 3 年以内に宅建士の登録をしなければ合格は失効する。(○か×か)

答え: × 試験合格は一生有効で、期限はありません。「3 年」は登録講習修了による 5 問免除の有効期間との混同を狙った数字です。

Q3. 登録講習修了者は問46〜50 の 5 問が免除されるが、試験時間は一般受験者と同じ 2 時間である。(○か×か)

答え: × 免除者の試験時間は 13:10〜15:00 の 1 時間 50 分です。45 問を 1 時間 50 分で解き、45 問中の合格点で判定されます。

Q4. 登録講習は、宅建業に従事していない者であっても受講して 5 問免除を受けることができる。(○か×か)

答え: × 登録講習の対象は宅建業の従業者で、申込みには従業者証明書の写しが必要です。業界外の一般受験者は利用できません。

Q5. 宅建試験の合格点は、あらかじめ 50 問中 35 点と定められている。(○か×か)

答え: × 合格点は固定されておらず、毎年の難易度に応じて変動します(直近 10 年で 33〜38 点)。実質的な相対評価の試験です。

Q6. 37条書面への記名は宅建士の独占業務であるから、宅建士でない宅建業者の代表者が記名しても 37条書面の記名にはならない。(○か×か)

答え: ○ 重要事項の説明・35条書面への記名・37条書面への記名の 3 つは宅建士でなければできない独占業務です。代表者であっても宅建士でなければ行えません。

Q7. 重要事項の説明は、成年者である専任の宅建士が行わなければならない。(○か×か)

答え: × 重要事項の説明は宅建士であれば足り、専任である必要はありません。「専任」が要求されるのは事務所等への設置義務の場面です(第3章・第6章)。

Q8. 2026年4月1日に施行された改正法は、施行当日が法令基準日であるため、2026年度試験では出題対象とならない。(○か×か)

答え: × 基準日「時点で施行されている」法令が対象なので、4月1日当日に施行された改正(区分所有法大改正など)も出題対象です。施行初年度の改正はむしろ狙われます。

Q9. 宅建業者は、事務所ごとに業務に従事する者 5 人に 1 人以上の割合で、成年者である専任の宅建士を置かなければならない。(○か×か)

答え: ○ 事務所の設置基準は「従事する者 5 人に 1 人以上」です。契約行為等を行う案内所では 1 人以上で足りる、という対比も第3章で押さえます。

Q10. 刑法改正により懲役と禁錮は拘禁刑に一本化され、これに伴い免許・登録の欠格期間も 5 年から 3 年に短縮された。(○か×か)

答え: × 変わったのは刑の名称だけで、「刑の執行終了等から 5 年」という欠格期間や罰金刑で欠格となる対象犯罪は変更されていません(第2章・第3章)。

Q11. 個数問題では、4 つの肢のうち 1 肢でも正誤判定を誤ると正解できないことが多く、消去法が通用しにくい。(○か×か)

答え: ○ 個数問題は全肢の正確な判定を要求します。令和7年度は 10 問が出題され合格点を押し下げました。肢単位で理由まで言える学習が対策です。

まとめ

この章の数字は、以降の全章の学習を方向づける座標軸です。表で総確認してください。

試験日2026年10月18日(日)13:00〜15:00(合格発表 11月25日)
形式50 問・四肢択一マークシート、受験手数料 8,200 円
法令基準日2026年4月1日(当日施行の改正も出題対象)
合格点・合格率直近 10 年で 33〜38 点、合格率 13〜19%(通常回は 15〜19%)
配点業法 20/権利 14/法令 8/税・その他 8
目標点18/8〜9/5〜6/6 = 37〜39 点(38 点前後)
5 問免除問46〜50 免除・45 問を 1 時間 50 分・修了から 3 年有効
学習量の目安300〜400 時間。順序は業法(第2〜8章)→ 法令(第17〜20章)→ 税・その他(第21〜23章)→ 権利関係(第9〜16章)
当日の定石業法から解く。見直し 10 分を最初から確保

設計図は引けました。次章からいよいよ最重要科目・宅建業法の本丸に入ります。まずは「そもそもどんな行為に免許が必要なのか」— 宅建業の定義と免許制度からです。